文章を書く時に気をつけたいこと

主に研究に関する文章の話. 言語は問わない. 特に, 論文/講演/書類について.

これは本当に雑多なメモであり独り言である. ここに書かれている文章がここに書かれている注意点を必ずしも守っているというわけではない.

タイトル

講演にせよ論文にせよ書類にせよ, タイトルはある程度短い方が良いだろう. あまりタイトルを具体的にしすぎても, 内容に明るくない人には伝わらないだろう. いくつか主要なキーワードを抜粋して繋げれば良く, 内容すべてを書く必要は無い. 自分は結構タイトルを長くしがちなので注意.

読者を想定する

当たり前のことだけど, 自分は割と忘れがちなので, ちゃんと意識するために書いておく. 論文は近い分野の専門家が読むと想定していいだろう. 研究集会の講演は会の趣旨に依るから自分で判断できなければ主催者や経験者に聞くのが良いだろう. 科研費などの書類が一番大事で, 自分の分野ならば数値解析を専門としない偏微分方程式の専門家の人を想定すると良いだろう.

主語述語/係り受け/時制

これも当たり前すぎるけどあんまり意識しないで書いたり何度も修正したりしている内にうやむやになってしまいがちなので注意.

モチベーション

これは難しい. 自分はよく「○○という性質の離散的なアナロジーを考えて応用する」みたいなことを書くが, これでは弱い. 「なぜ離散的なアナロジーを考えるか?」まで踏み込んで述べないと説得力が出ないと思う. (数学的な興味で, というのはもちろんそうなのだけど, より説得力の強い文章を書けたほうが何かと心強いだろう.) こういうのは他人から指摘されるか他人の文章を読むことでしか身につかないと思うから厄介.

講演や論文の場合は, 「モチベーションに対してどの程度貢献したか」をちゃんと述べる必要があると思う. そうしないと, 読者からすれば「最初に言ってたモチベーションはどうなったの?」となってしまう. あまり到達度が高くないのであれば, そのことは正直に述べるべきだし, そもそも到達するまでに時間がかかる (あるいは, 不可能に近い) のであれば, モチベーションそのものを見直すべきだろう. 書類であればある程度大げさに書いても良いだろうけど, 講演で同じような書き方をすべきではないと思う.

差別化をする

これも研究をする上で当たり前のことだけど, 自分の研究の「ウリは何か?」をはっきりさせなければならない.

先行研究へのリスペクト

これは最近 (2017年4月末) に指摘されたこと. 自分はよく, 先行研究を挙げた後に, 「こういうところがダメ」みたいに, 先行研究に対してネガティブな書き方をすることが多かった. でも, そもそも先行研究があってこその自分の研究なのだから, もっとリスペクトすべきだろう. 例えば, 「こういう先行研究があり, 理論が発展してきたが, こういう課題が残されていて, そういう状況で自分はこういうことをした.」みたいに書けると良いのかなと思う.